遺言の証人の選び方|公正証書遺言で確認したいポイント

皆さまこんにちは。熊本市のマレー行政書士事務所です。日本公証人連合会によると、令和6年に全国で作成された遺言公正証書は12万8,378件でした。また、法務省が公表している自筆証書遺言書保管制度の利用状況では、令和8年1月時点の累計保管申請数は11万3,626件とされています。遺言の準備は一部の人だけの特別なものではなく、相続に備える手段の一つとして確認される機会が増えています。熊本でも、遺言の内容だけでなく、公正証書遺言の進め方や証人のことまで含めて相談したいという場面は少なくありません。

公正証書遺言を考える際に大切なのは、遺言の内容だけでなく、作成までの段取りを早めに整えることです。特に証人については、誰でもよいわけではなく、法律上なれない人が定められています。しかも実際の準備では、遺言者ご本人が個別に対応するというより、公証役場との連絡や必要資料の整理とあわせて、全体の流れの中で確認していくことが多くなります。そのため、証人の問題は、遺言作成の終盤ではなく、初めの段階で確認しておく方が安心です。

公正証書遺言の作成準備

公正証書遺言は、公証人が関与して作成する方式の遺言であり、法律上、証人2人以上の立会いが必要です。方式が整っていることが大きな特徴ですが、その反面、事前に確認しておくべき事項もあります。遺言の内容、不動産や預貯金などの資料、相続人との続柄が分かる資料、そして証人に関する確認などを、順序立てて進めることが大切です。

実際には、遺言者ご本人がすべてを個別に調べて準備するとは限りません。相続や遺言の相談を受けた段階で、必要資料の整理、公証役場に伝える事項の確認、日程調整、証人候補者の確認などを一つずつ整えていくことで、公正証書遺言の作成は進めやすくなります。熊本で遺言を準備する場合でも、内容面だけでなく、こうした周辺準備を早めに整理しておくことが重要です。

証人の要件

公正証書遺言の証人は、単に立ち会えばよい人ではありません。民法では、未成年者、推定相続人、受遺者、その配偶者や直系血族などは、遺言の証人や立会人になることができないと定められています。相続や遺贈によって直接の利害関係を持ちやすい人は、証人から外す必要があります。

そのため、家族であれば安心、事情をよく知っている親族なら適任、という考え方だけでは足りません。たとえば、遺言によって財産を受け取る予定の人や、その近い親族は、証人として適さない可能性があります。遺言では、信頼関係の有無だけでなく、法律上その立場で立ち会えるかどうかが重要になります。

証人の手配

公正証書遺言の証人については、制度上は遺言者側で手配することができます。一方で、実務では、遺言作成の準備を進める中で、必要書類や公証役場との調整とあわせて確認されることが多く、証人の候補者もその流れの中で整えられることが少なくありません。

また、適当な証人が見当たらない場合には、公証役場で紹介を受けることも可能とされています。したがって、証人の問題は、遺言者が一人で抱え込む必要がある事項というより、全体の準備の中で適切に整理していく事項と考えた方が実情に合っています。証人の条件を見落としたまま進めるより、早めに候補者の可否を確認しておく方が安心です。

証人候補者の確認事項

証人を手配する際には、その人が法律上の要件を満たすかどうかに加え、基本情報の整理も必要になります。公証実務では、証人の氏名、住所、生年月日が分かる資料の準備が求められます。したがって、単に「頼めそうな人がいる」というだけでは足りず、必要事項を確認できる状態にしておくことが大切です。

また、証人は遺言作成の場に立ち会うため、遺言内容を知る立場になります。そのため、利害関係の有無だけでなく、安心して依頼できる相手かどうか、当日の立会いが可能かどうかも含めて考える必要があります。遺言は私的な内容を含むことが多いため、証人の選定は形式面と実務面の両方から確認したいところです。

熊本で遺言を準備する際の視点

熊本で相続や遺言の準備を進める際には、遺言書の文案だけに意識を向けるのではなく、必要資料、関係者の整理、公証役場との連絡、証人の確認といった全体の流れを見ることが大切です。公正証書遺言は、適切な段取りを踏めば進めやすい制度ですが、準備事項を後回しにすると、かえって日程や確認が複雑になりやすくなります。

相続では、遺言書があること自体に目が向きやすいものの、実際には、適切な方式で作成されていることも同じくらい重要です。安心して遺言を残すためには、内容と形式の両方を整え、必要な確認を早めに進めることが大切です。

遺言準備の進め方

行政書士としては、遺言に向けた資料整理、相続関係の確認、公証役場へ伝える事項の整理、必要書類の確認、証人候補者の整理など、事前準備を丁寧に進めることが大切だと考えています。公正証書遺言は、内容を考えるだけで完成するものではなく、周辺準備を整えてこそ進めやすくなります。熊本で相続や遺言の備えを検討されている方は、証人のことも含め、全体の流れを早めに確認しておくと安心です。
最後までお読みいただきありがとうございました。