熊本で相続が始まる前に決めたい「連絡窓口」|家族で共有すべき準備と実務ポイント

相続で「連絡窓口」を決めておく意味

皆さまこんにちは。熊本市のマレー行政書士事務所です。厚生労働省の人口動態統計によると、令和5年(2023年)の日本の死亡数は157万6016人と、公表開始以来最多となっています。また、熊本県の資料では、令和5年時点で65歳以上の高齢化率は32.3%とされており、県民の約3人に1人が高齢者です。こうした状況の中で、熊本・熊本市でも相続や遺言に関するご相談は今後さらに増えることが予想されます。本記事では、その中でも「相続の連絡窓口(相続人代表者)をあらかじめ決めておくこと」に焦点を当て、実務上のポイントを整理します。

相続が始まると、金融機関や市区町村、法務局など、さまざまな機関とのやりとりが発生します。そのたびに、すべての相続人が個別に連絡を受け、書類を確認し、判断していると、情報が錯綜しやすくなります。
そこで、家族の中で「連絡窓口となる相続人代表者」を決めておくと、実務負担が大きく減ります。代表者が書類の受け取り役・連絡調整役となり、他の相続人へ内容を共有していくイメージです。
ここでいう代表者は、あくまで連絡や事務処理の中心となる存在であり、他の相続人の同意なしに単独で法的な決定を行う立場ではありません。熊本のご家庭でも、「誰が窓口になるか」を早めに話し合っておくことが、相続トラブルの予防につながります。

相続人代表者を決めるときの基本的な考え方

相続人代表者を決める際には、肩書や長幼ではなく、次のような点を重視すると現実的です。

  • 日常的に書類の管理や連絡調整が得意な人
  • インターネットやメール、オンラインサービスの利用に抵抗が少ない人
  • 熊本市役所や金融機関など、関係機関へのアクセスが比較的しやすい人
  • 他の相続人とまめに連絡を取りやすい立場の人

長男・長女が必ず代表者でなければならないという決まりはありません。高齢のご両親の相続を想定して、熊本市内に住む子どもが代表者となり、県外在住のきょうだいと情報共有を行うケースも多く見られます。代表者を一人に絞るのが難しい場合は、「主担当」と「サポート役」の二人を決め、連絡窓口を分担する方法も考えられます。

熊本・熊本市で見られる連絡体制のパターン

熊本・熊本市のご相談では、次のような体制がよく見られます。

  • 熊本市内在住の子どもが代表者となり、金融機関・市役所などの窓口に足を運ぶ
  • 遠方在住の相続人とは、LINEやメールで書類の画像を共有しながら確認を進める
  • 高齢の配偶者は代表者とせず、生活面のサポートを中心に役割分担する
  • 相続人全員の連絡用グループ(LINE・メール)を作り、代表者が要点をまとめて報告する

このように、代表者を決めておくことで、熊本市外に住む相続人も情報を共有しやすくなります。連絡の取り方はご家庭ごとに異なりますが、「誰に連絡すれば話が通じるか」が明確になっていると、金融機関や役所とのやりとりもスムーズです。

事前に作っておきたい「相続連絡メモ」

連絡窓口だけでなく、相続に関わる基本情報を一枚のメモにまとめておくと、その後の手続が進めやすくなります。例えば、次のような項目です。

  • 想定される相続人(配偶者・子ども・兄弟姉妹など)の氏名と続柄
  • 自宅・預貯金・生命保険・有価証券など、主な財産の所在のメモ
  • 利用している主な金融機関名(熊本銀行、肥後銀行、ゆうちょ銀行など)
  • 加入している生命保険会社名と連絡先
  • 固定資産税の納税通知書や名寄帳など、不動産に関する書類の保管場所
  • 遺言書を作成している場合は、その保管先(自宅・法務局・公証役場など)

ここで注意したいのは、このメモ自体には細かな財産評価や法律判断を書き込む必要はないという点です。あくまで「どこに何があるか」「誰に連絡すればよいか」を示す道しるべとして整理しておくだけでも、相続開始後のご家族の負担は大きく変わります。

行政書士に相談できる内容と家族で決めるべきこと

相続や遺言に関する場面では、専門家ごとに担当できる業務が法律で決められています。行政書士は、相続関係説明図や財産目録、遺言書原案などの書類作成を通じて、相続人代表者やご家族の事務負担を軽減する役割を担います。

一方で、どの相続人がどの財産を取得するかといった利害の調整や、紛争性のある事案の代理は、弁護士など他士業の独占業務に含まれる場合があります。そのため、行政書士としては、相続の連絡窓口を決める際の一般的な考え方や、必要な書類の整理方法をお伝えしつつ、具体的な対立や紛争がある場合には、適切な専門家への相談をおすすめすることになります。

熊本・熊本市で相続や遺言の準備を進める際には、まずご家族で「誰を連絡窓口にするか」「どの専門家に何を相談するか」を整理しておくことが大切です。そのうえで、行政書士には書類作成や相続関係の整理に関するサポートを依頼することで、負担を抑えながら手続全体を進めやすくなります。

相続の連絡窓口を決めるときの実務ポイント

最後に、実務上のポイントを整理します。

  • 相続が始まる前から、家族で代表者候補を話し合っておく
  • 代表者は「決定権者」ではなく「連絡・事務の中心役」として位置付ける
  • 熊本市内に窓口の多い金融機関や役所にアクセスしやすい人が担当すると効率的
  • 相続連絡メモを作り、財産の所在や関係機関のリストを簡潔にまとめておく
  • 書類作成や相続関係説明図の作成などは、行政書士に相談することでスムーズに進められる

相続や遺言は、ご家族の事情が一つとして同じではありません。「まず誰に連絡し、どの順番で手続を進めるのか」を決めておくだけでも、いざというときの不安は大きく軽減されます。熊本・熊本市で相続や遺言に備えたい方は、連絡窓口の決め方や書類の整理方法について、早めに専門家へご相談いただくことをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。