皆さまこんにちは。マレー行政書士事務所です。法務省・消費者庁の高齢者等終身サポート事業者ガイドラインでは、死後事務サービスとして、関係者への連絡、死亡届や火葬許可に関する手続、葬儀、納骨、行政機関への届出、ライフラインの解約などが例示されています。また、法務省は任意後見制度について、本人の判断能力が十分な時に公正証書で契約し、判断能力が不十分になった後に効力が生じる制度と案内しています。死後事務委任を考える際は、まず何を頼む契約なのかを区切って考えることが大切です。
依頼内容の範囲
死後事務委任を考える時は、制度名を先に覚えるよりも、亡くなった後に誰に何を頼むのかを先に区切る方が分かりやすくなります。死後事務委任で確認したい中心は、亡くなった後に必要になる事務のうち、どこまでを契約に入れるかです。
公的なガイドラインでは、死後事務サービスの例として、関係者への連絡、火葬許可や死亡届に関する事務、葬儀、納骨、行政機関への届出、電気・ガス・水道・電話などの解約が挙げられています。つまり、死後事務委任は一つの作業だけを指す言葉ではなく、複数の事務をどこまで受けてもらうかを契約で決めるものとして考えると整理しやすくなります。
そのため、熊本で死後事務委任を相談する場合でも、「死後事務委任をしたい」という言い方だけでは足りません。誰に連絡してほしいのか、葬儀や納骨の希望があるのか、住まいの解約や公共料金の停止まで必要なのかといった点を、項目ごとに分けて確認していくことが大切です。
先に整理したい項目
相談前に全部を決め切る必要はありません。ただし、少なくとも次のような項目は、事前に分けて考えておくと話が進めやすくなります。
一つ目は、連絡先です。亡くなった後に知らせてほしい相手を、親族、友人、勤務先、施設などに分けて整理しておくと、契約で定める内容が具体的になります。既出テーマの「連絡先そのものの整理」と違い、この記事で主眼になるのは、連絡先を含めて依頼内容全体の範囲を決めることです。
二つ目は、葬儀や納骨の希望です。葬儀を行うのか、どの程度の形を希望するのか、納骨先が決まっているのかで、必要になる事務の内容は変わります。死後事務委任は、亡くなった後に何をしてほしいかを契約に落とし込む仕組みですから、希望が決まっていない部分があるなら、未定のままにせず、どこまで決まっていて何が未定かを分けておくことが大切です。
三つ目は、住まいと各種契約です。賃貸住宅なのか持ち家なのか、電気・ガス・水道・電話・インターネットなどの契約があるのかを確認しておくと、どの解約事務を頼むのかが見えやすくなります。公的資料でも、ライフラインの停止や賃貸借契約、残置物に関する対応は重要な確認事項として扱われています。
費用確認の視点
死後事務委任では、何を頼むかによって費用の考え方が変わります。公的ガイドラインでも、死後事務サービスのために前払金、いわゆる預託金を受けることがあり得ること、その管理方法や報告の在り方を契約書に明記することが望ましいとされています。また、解約方法や返金の取扱いについても、重要事項説明書や契約書で明記することが重要とされています。
このため、相談前には、総額だけを気にするのではなく、何のための費用なのかを項目ごとに確認することが大切です。たとえば、契約書作成時の費用と、実際に執行する時の費用がどう分かれるのか、立替が予定される実費には何が含まれるのか、預けた金銭の管理方法はどうなるのか、といった点です。
熊本で死後事務委任の相談をする際も、費用の話は最後にまとめて聞くのではなく、連絡、葬儀、納骨、解約事務などの内容を確認した後に、それぞれどの費用と結び付くのかを見ていく方が分かりやすくなります。
任意後見との役割分担
死後事務委任を考える方の中には、任意後見と一緒に整理したい方もおられると思います。ただし、この二つは同じものではありません。法務省によれば、任意後見制度は、本人の判断能力が十分な時に公正証書で契約し、判断能力が不十分になった後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じる制度です。これに対し、死後事務委任は、亡くなった後の事務をどう処理するかを決める場面で考える契約です。
この記事で大切なのは、制度比較そのものではなく、死後事務委任の相談前に何を整理するかです。今の生活の支援や判断能力の低下に備える話なのか、亡くなった後の連絡や納骨、解約事務まで含めて備える話なのかを分けて考えると、相談内容が整理しやすくなります。
相談前の持参メモ
死後事務委任の相談では、最初から細かな内容を文章にまとめておく必要まではありません。まずは、連絡してほしい相手、葬儀や納骨の希望、解約が必要になりそうな契約などを簡単に書き出しておくと、相談の入口として整理しやすくなります。たとえば、次のような事項をメモにしておくと、相談の際に話を進めやすくなります。
- 連絡してほしい相手の名前と関係
- 葬儀と納骨について決まっていること
- 住まいの種類と解約が必要になりそうな契約
- 亡くなった後に特に頼みたいこと
- まだ決まっていないこと
この形で整理しておくと、相談の場で「何を頼みたいのか」「どこが未定なのか」を分けて確認できます。死後事務委任は、制度名だけを理解しても契約内容は固まりません。反対に、頼みたい内容の範囲が見えてくると、相談の進め方はかなり分かりやすくなります。
熊本で死後事務委任を考える際も、まずは全部を一度に決めようとせず、どこまで頼みたいかを区切って確認するところから始めるのが大切です。当事務所でも、死後事務委任について、契約前に整理しておきたい項目の確認からご相談を承っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
