皆さまこんにちは。マレー行政書士事務所です。関係府省庁が公表している高齢者等終身サポート事業者ガイドラインでは、緊急時に連絡を希望する先の有無や連絡の可否を確認しておくこと、死後事務については内容や費用の取扱いを明らかにしておくことが示されています。また、法務省は任意後見制度について、本人に十分な判断能力があるうちに公正証書で契約し、判断能力が低下した後に家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると効力が生じる制度と案内しています。死後事務委任を考える際も、元気なうちに連絡先や希望内容を整理しておくことが、契約内容を具体化するうえで重要です。
連絡先整理の必要性
死後事務委任というと、葬儀、納骨、各種契約の終了といった項目に目が向きやすい一方で、実際の相談では、誰に、どの順番で、どこまで連絡するのかを先に整理しておくことが大切です。亡くなった直後には、親族、知人、入所先、医療機関、勤務先、大家、菩提寺など、連絡が関わる先が複数に分かれることがあります。ここが曖昧なままだと、受任者に依頼したい事務の範囲も定まりにくくなります。
役割分担の整理
死後事務委任は、亡くなった後の事務をどう進めるかを定めるための備えです。他方で、遺言は財産を誰に引き継ぐかに関わるものであり、任意後見は判断能力が低下した後の生活や財産管理を支える制度です。似た時期の備えとして一緒に検討されることはありますが、役割は同じではありません。死後事務委任の相談を考える場合も、財産の承継、判断能力低下後の支援、死亡後の連絡や実務を分けて整理すると、必要な準備が見えやすくなります。
相談前の整理項目
相談前には、まず連絡してほしい相手を書き出すことが出発点になります。親族全員に同じ内容を伝えるのか、最初に知らせる窓口を一人決めるのか、連絡を希望しない相手がいるのかは、契約内容に関わります。次に、連絡の場面ごとに情報の範囲を考えます。危篤時に連絡したい相手、死亡後に連絡したい相手、葬儀や納骨の日程まで伝えたい相手が同じとは限りません。さらに、氏名、続柄、電話番号、住所など、実際に連絡に使う情報を手元で確認しておくと、相談が具体的になります。
契約内容の具体化
死後事務委任では、単に「連絡をお願いしたい」とするだけでは足りず、誰への連絡か、どの段階で連絡するか、どこまでの対応を依頼するかを詰める必要があります。たとえば、葬儀や納骨の希望があるなら、その内容とあわせて、連絡対象者との関係も整理しておく方が自然です。
相談先を考える時期
死後事務委任は、契約書を作る段階だけでなく、その前の整理に意味があります。まだ全てを決め切れていなくても、連絡してほしい相手、連絡を望まない相手、葬儀や納骨の希望、現在気になっている契約や住まいの状況を書き出しておくと、何を委任し、何を別の制度で備えるべきかを見分けやすくなります。死後事務委任を検討している方は、まずは連絡先と連絡の範囲から整理しておくと、落ち着いて相談しやすくなります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
