法定相続情報一覧図の有効活用

法定相続情報一覧図の活用で相続手続が円滑に

皆さまこんにちは。マレー行政書士事務所です。熊本では梅雨が明け、本格的に暑い季節になりました。皆さま体調など崩されていないでしょうか。当事務所では、遺言や相続に関するご相談が増えてきました。中でも特によく寄せられるのが、「戸籍の束を何度も提出しなければならないのか」といったご負担に関するものです。

こうしたお悩みを解決する手段として活用されているのが、法定相続情報一覧図です。相続人や被相続人に関する戸籍情報を1枚の一覧にまとめ、法務局の確認を経て証明してもらえるこの制度は、相続手続の負担を大きく軽減する効果があります。

法定相続情報一覧図とは

2017年5月29日に始まった法務省の制度で、被相続人の戸籍一式と相続関係説明図を提出すると、法務局が内容を確認し、「法定相続情報一覧図の写し」を交付してくれる仕組みです。交付は無料で、複数部の取得も可能です。有効期限の制限もなく、金融機関や登記など各種手続で活用されています。

制度開始以降の動き

  • 2024年3月1日には戸籍の広域交付制度が始まり、戸籍の取得手続自体は簡便になりましたが、金融機関などでは依然として戸籍原本を求められることが多く、提出の煩雑さは残されています。こうした中、法定相続情報一覧図を取得しておけば、戸籍原本の提出を省略できる場面が広がり、手続の効率化につながります。
  • 2024年4月1日:相続登記義務化が施行され、不動産の名義変更における一覧図の利用価値がさらに高まりました。

熊本の相続で活きる三つのメリット

  1. 金融機関の払戻しがスムーズ
    同じ一覧図を複数の銀行等に提出できるため、窓口での手続が簡素化されます。
  2. 不動産登記に即活用
    相続登記の申請書類としてそのまま添付できるため、原本の戸籍一式を再提出する必要がなくなります。
  3. 相続税申告の準備にも役立つ
    一覧図を活用すれば、税理士が戸籍を一から読み解く必要がなくなり、行政書士との業務分担が明確になりやすく、連携もスムーズです。

行政書士ができること

  • 戸籍の収集
  • 相続関係説明図と一覧図(案)の作成
  • 申出書類一式の整備と代理提出(法務局への提出も対応可能)

手続の流れ(概要)

  1. 必要な戸籍・住民票の収集
  2. 相続人の確定
  3. 一覧図をパソコン等で清書(手書きも可。ただし読みやすさの点からパソコン作成が推奨されます)
  4. 法務局へ申出(郵送も可)
  5. 1〜2週間ほどで写しが交付されます

まとめ

「同じ戸籍を何通も提出するのが面倒」「手続のたびに戸籍が必要で困る」といった声は、相続のご相談でも多く聞かれます。法定相続情報一覧図を取得しておけば、相続手続の所要時間も提出書類の管理も大幅に効率化されます。行政書士による事前準備の支援を通じて、スムーズで確実な相続を実現しましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。