皆さまこんにちは。マレー行政書士事務所です。
最近、少しずつですが読書の時間を大切にするようになりました。ページをめくるたびに、新しい発見があったり、心が動かされたりするのがとても楽しいです。普段はなかなか時間が取れないのですが、寝る前の10分でも本を開くと、不思議と気持ちがリセットされて、明日も頑張ろうと思えます。これからも色々な本に出会い、自分自身の視野を広げていきたいです。皆さまも、心を癒す一冊をぜひ見つけてみてくださいね。
ペットは今や「家族の一員」として、私たちの生活に深く関わっています。犬や猫はもちろん、鳥やうさぎ、爬虫類、魚類など、多様なペットたちが心を癒やし、暮らしを豊かにしてくれます。一緒に過ごす時間が長くなるほど、かけがえのない存在になります。しかし、もし自分に万が一のことがあったとき、その大切な家族をどう守るか、考えたことはありますか。
実は、日本の法律ではペットは「物」として扱われています。つまり、飼い主が亡くなった場合、ペットは遺産の一部として扱われ、相続人に引き継がれる対象となります。しかし、ペット自身が相続人として財産を受け取ったり、自分で生活費を管理したりすることはできません。たとえば、相続人がペットを引き取ってくれれば問題は少ないかもしれませんが、実際には「ペットを引き取れない」というケースも多くあります。
引き取りをためらう理由はさまざまです。相続人がアレルギーを持っていたり、ペット可の住宅に住んでいなかったり、経済的な負担を理由に飼育が難しいという場合もあります。引き取るつもりでも、長生きするペットの場合は「自分が先に介護が必要になったり入院したりして、最後まで飼えないかもしれない」と不安になる方もいます。その結果、ペットの行き場がなくなり、最悪の場合、保健所に引き取られるという悲しい結末になることもあります。
では、そうならないために何ができるのでしょうか。まず考えたいのが「遺言書」です。たとえば、「愛犬のポチを長年かわいがってくれた弟に譲る。ポチの飼育費用として500万円を弟に遺贈する。」といった内容を遺言書に記載することで、引き取り先と費用をセットで指定できます。これにより、弟さんも安心してポチを引き受けやすくなります。ただし、ペットは「物」として扱われるため、「ポチ自身に500万円を相続させる」という形にはできません。あくまで、ペットを託す相手に飼育費用を渡す形になります。
さらに安心を求める場合は、「ペット信託」という仕組みも検討できます。これは、ペットの飼育費用や生活費を信託財産として管理し、信頼できる受託者にペットの世話と資金管理を任せるという方法です。遺言書だけでは管理が難しい場合や、複数の相続人がいる場合でも、ペット信託を使えば資金の使途や飼育方法の希望をより細かく指定できます。ペット信託には専門家のサポートが必要となる場合もありますが、ペットの一生を安心して託す選択肢として注目されています。
また、遺言や信託以外にも「負担付贈与契約」という方法もあります。これは、ペットを引き取ってくれる人にペットと飼育費を贈与し、その代わりにペットの世話をする義務を負ってもらうという仕組みです。契約として結んでおけば、将来のトラブル回避にも役立ちます。
ペットは、家族の一員としてかけがえのない存在です。だからこそ、もしものときにペットが安心して暮らせる環境を整えておくことは、飼い主の大切な責任です。遺言や信託、贈与など、方法はさまざまありますが、まずは「自分がいなくなった後どうなるのだろう」と、一度立ち止まって考えてみることが大切です。そして、信頼できる家族や友人、専門家と相談しながら、ペットの将来を守る準備を進めてみてはいかがでしょうか。未来のために、今できることから始めてみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。