皆さまこんにちは。マレー行政書士事務所です。
前回のブログで、最近Facebookを始めたことをお伝えしました。それまで私は、このウェブサイトを開設するまで、ほとんどSNSに触れることはありませんでした。主に仕事の情報発信を目的として始めたのですが、思いがけない嬉しい出来事もありました。仕事関係のつながりはもちろんのこと、プライベートでも、何十年ぶりかに昔の友人と再会できたり、SNSがなければ出会えなかったような方々とご縁をいただけたりと、予想以上の広がりを感じています。少し前の時代では考えられなかったことが、今では日常になっているのですね。あらためてSNSの力に驚いています。
さて、今回は「空き家と行政書士」についてお話ししたいと思います。
近年、全国的に深刻化している「空き家問題」。総務省の調査によれば、全国の空き家率は増加の一途をたどっており、地方はもちろん都市部でも空き家の存在が社会課題となっています。空き家の発生要因はさまざまです。所有者が高齢となり施設に入所した場合や、相続後の手続が放置されているケース、相続人間での意見の対立なども原因となります。こうした問題が複雑化すると、建物の老朽化や治安・景観の悪化、近隣住民とのトラブルなどを引き起こすことになります。
空き家問題と「名義」の壁
空き家をどうにかしたいと思っても、最初に立ちはだかるのが「名義の問題」です。たとえば、相続登記がされておらず、所有者が既に亡くなっているといったケースでは、法的には誰も売却や処分ができません。また、相続人が複数いて合意が得られない場合も、活用や解体が進まないままとなってしまいます。
このような状況では、専門的な知識を持つ第三者が間に入り、手続を整理していく必要があります。そこで行政書士の出番です。
行政書士ができること
行政書士は、空き家問題に対して次のような支援が可能です。
1.権利関係の整理と法的文書の作成
空き家の所有者や相続人の調査、相続関係説明図や法定相続情報一覧図の作成、相続人間の合意形成に向けた遺産分割協議書の作成など、空き家の法的整理に向けた文書作成を行います。
2.行政手続の代行
空き家の管理に関する補助金の申請や、自治体が実施する「空き家バンク」への登録、特定空き家に指定されないための予防的措置に関する相談など、行政とのやりとりをスムーズに進めるサポートをします。
3.空き家の管理に関する相談や他士業との連携
空き家の管理や活用に関して、不安や課題を感じている方に対して、行政書士は状況整理や必要な書類の作成を通じた支援を行います。また、必要に応じて司法書士や不動産業者、建築士、弁護士などの他士業とも連携し、適切な対応へとつなげることも可能です。
相続から「活用」への第一歩
空き家は「負動産」とも呼ばれることがありますが、見方を変えれば、将来的に資産として活用できる可能性も秘めています。実際、地方自治体によっては空き家活用の補助制度や移住促進策を展開している地域も多く、適切な手続を経て市場に出せば、地域活性化にもつながります。
行政書士は、空き家を「負の遺産」とせず、「活かせる遺産」に変えていく手続を、家族と地域社会の間で支援していく存在です。
最後に
空き家問題は、法的な問題と感情的な問題が絡み合うため、個人で抱え込むのは難しいケースがほとんどです。行政書士はそうした問題の整理や文書作成を通じて、持ち主やご家族の悩みに寄り添いながら解決に導くお手伝いをします。
もしご実家や相続した物件について、どうすればよいかわからないと感じたときは、お気軽にご相談ください。「空き家」のままで止まっている時間を「再生」へと動かしていく第一歩を一緒に踏み出しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。