皆さまこんにちは。マレー行政書士事務所です。
皆さまはリバースモーゲージという制度をご存じでしょうか。聞いた事がないという方も多いかと思います。今回はリバースモーゲージについてお話します。
リバースモーゲージとは?
リバースモーゲージとは、高齢者が自宅を担保にして融資を受ける仕組みです。通常の住宅ローンとは反対に、リバースモーゲージでは借り手が毎月の返済を行う必要がなく、代わりに自宅の価値を利用して資金を受け取ります。借り手が亡くなったり、家を売却したりするまで元本の返済は不要です。ちなみに、直訳すると「リバース=反対」「モーゲージ=抵当(権)」です。
リバースモーゲージの歴史
リバースモーゲージは約200年前の近世フランスで発展しました。アメリカでは1960年代にリバースモーゲージの取り扱いが始まりました。日本では1981年に東京都武蔵野市で初めて導入されましたが、本格的に注目されるようになったのは2000年代以降です。
リバースモーゲージの仕組み
- 担保としての自宅: 借り手の自宅が担保となります。
- 融資額の決定: 自宅の評価額や借り手の年齢に基づいて融資額が決まります。
- 資金の受け取り方法: 一括で受け取る方法や、毎月の定期的な支払いとして受け取る方法があります。
- 返済のタイミング: 借り手が亡くなったり、自宅を売却したり、他の条件が満たされた場合に元本と累積された利息の返済が求められます。
リバースモーゲージのタイプ
リバースモーゲージには、以下の2つのタイプがあります:
- 毎月利息を返済するタイプ: このタイプでは、借り手は毎月利息を返済し、元本は借り手が亡くなったり、自宅を売却したりする際に一括で返済します。このタイプは、利息の累積を避けるために利用されることが多いです。
- 利息も元本も一括返済するタイプ: このタイプでは、借り手が生きている間は利息も元本も返済せず、最終的に一括で返済します。このタイプは、毎月の返済負担を軽減するために利用されることが多いです。
リバースモーゲージのメリット
- 生活資金の確保: 高齢者が自宅に住み続けながら、生活資金を確保できます。
- 返済の柔軟性: 毎月の元本返済が不要で、借り手のライフスタイルに合わせた返済が可能です。
リバースモーゲージのリスクとデメリット
- 長生きリスク:借り手が予想以上に長生きした場合、融資額が自宅の価値を超えてしまう可能性があるというリスクです。
- 利息の累積: 利息も元本も一括返済するタイプでは、毎月の元本返済が不要なため、利息が累積します。長期間にわたって借り入れを続けると、最終的な返済額が大きくなる可能性があります。
- 自宅の価値の変動: 自宅の価値が下がった場合、融資額が自宅の価値を超えるリスクが高まります。
- 金利上昇リスク: リバースモーゲージは変動金利で契約されることが多いため、金利が上昇すると返済額が増加するリスクがあります。
- 評価額低下リスク: 自宅の評価額が下がると、融資限度額が減少する可能性があります。また、売却時に評価額が下がっていると、相続人が返済額を負担するリスクが高まります。
- 資金使途の制限: 一部のリバースモーゲージ商品では、借り入れた資金の使途が限定される場合があります。
リバースモーゲージの利用を検討する際のポイント
- 専門家への相談: 専門家(ファイナンシャルプランナーなど)に相談し、リバースモーゲージのメリットとデメリットを理解しましょう。
- 家族との話し合い: 家族と話し合い、相続や将来の計画について共有することが重要です。
- 他の選択肢の検討: リバースモーゲージ以外の資金調達方法も検討し、自分に最適な方法を見つけましょう。
リバースモーゲージは、高齢者が自宅を活用して生活資金を確保するための有力な手段ですが、慎重な検討が必要です。専門家のアドバイスを受けながら、自分に合った選択をすることが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。